唐突ですが、5年間、施設・・主に老健でレクリエーション援助を担当してきて、思った事を書きます。
読んでいて不快に思う方もいらっしゃるかもしれません。個人的な見解ですからさっと読み流して下さいね。
施設におけるレクリエーション援助をどのように位置づけるか、おそらくその施設施設によって違うと思います。
グループホームや宅老所、小規模多機能施設などは、個別のレクになるのでしょう、元々利用者の数が少ないので、そもそも「お買い物をする」「料理の下ごしらえを一緒にする」自体が、生活リハビリ、レクリエーションになり得ますものね。
デイサービスやデイケアでの「レクリエーション援助」は「利用者に”ああ楽しかった、明日もまた来たい”」と思わせるサービス提供の要・・・その為、印象に残るような非日常的なレクリエーションゲームを始め、趣味のクラブ活動や季節感を感じさせる繊細かつ少し手のこんだレクリエーション援助計画が習慣化されていると思います。
実際、通所施設関連情報誌などの作品やレク紹介では全国各地のデイサービスの利用者達がプロも驚くような素晴らしい作品を作ったり楽しいゲームや季節行事を興じている様子が写真で紹介されていたりします。
入所施設関連情報誌ではそういうページより、やれ排泄をやれリスクマネジメントをやれ人員管理を、と言ったより介護業務に密着した話題が多いですよね。
私が一番最初に今の老健施設で面接を受けた時、「レクリエーション援助がしたい」とデイケア勤務を希望したのですが、研修でまわった入所施設、それも認知症棟で、「通所じゃなくて入所の方がレクリエーション援助が必要だ」と思い(今考えれば生意気な奴だ)、デイケア勤務を断ってしまいました。
その時の予感「自分が入所施設レクリエーション援助にこだわるようになるだろう」は、まだ今ほどレクリエーション援助について勉強をしていない時期に感じたものですが、目にうつった入所施設での「時間割的生活」「十把一絡げ的介護」に違和感を感じたのは、むしろ人間の自然な感覚だったのかもしれません。「介護業務に馴れ合ってしまう」前の新鮮な第六感だったというか・・・。
まず、入所施設でのレクリエーションでの問題点について挙げてみます。
環境面
1.スペースがない
平均で20〜30名の利用者さんを相手にレク援助を行っていますが、車椅子や椅子を並べるのが精一杯で、移動するスペース(とマンパワー)がありません。と言うことは、よくレクネタ本にある、「床に座って」「移動して」と言うゲームは無理だということです。
2.リスクマネジメントに怯えるレク
転ばせちゃいけない、がまず最優先ですので、「座ったままのレクゲーム」が基本になります。よくレクネタ本にある「歩き回って」「立ち上がって」のレクゲームははじかれます。新聞紙ホッケーなど盛り上がるのですが、前かがみ転倒事故に怯えながらのレク援助ですね。立てるようになるようリハビリしているのに、レクでは立っては駄目っておかしいですよね(笑)これはレクの時間だけでなく生活全般でも言えます。「歩いていいけれどトイレだけ」とか。もうこの際床を全てスポンジにするか?(笑)
生活全般にその姿勢がうかがえます。「料理レク?」火を使うから危ない、「お裁縫?」針を使うから危ない、その発想は「余分なものを置かない」「危ないものを置かない」に繋がります。居室には生活感というものが全く感じられません。
歩けるようになったが歩くな・・は「リハビリ」が生活とうまく噛み合っていない証拠です。リハビリ職と介護職の連携が取れていない証拠。歩けるようになってそれが生活にどう生かされるのか、歩ける=トイレへの歩行と位置づけられているうちは、利用者本位のQOLから外れ無視状態と言っても過言ではないと思います。そしてその「歩けるようになったトイレ」さえ「見守り」状態では「定時時間誘導」となります。排泄ケアも介護者本位になっている状態では。
利用者の気持ち
1.恥を暴かれる、やっていて楽しくない
好きな時間に好きなことをするのが本来のレクリエーション活動だと思うのですが、マンパワーや環境等の関係で、出来ないことが多いですね。レクだけではありません。「トイレの時間はさっき終わったから・・」って一体何なんでしょうね・・・。休んでいたい時間に無理やり引っ張っていかされるレク・・・楽しいでしょうか。どんなに手のこんだレクゲームだって楽しくないですよね・・・。
それから、施設入所の利用者さんは障害を持って入所されているのでスムーズに集団レクゲーム等が楽しめない場合があります。
*聴覚、視覚、身体機能(麻痺など)の障害
*認知の障害→★理解出来ない★覚えられない★忘れてしまう★集中出来ない★反応がない
*障害や認知力のレベルが違い、ゲーム等がスムーズに流れず不公平やゲーム中断が起こる。
ゲームを行う時はルールの簡単なものを選びますが、必ず最初に「手本を見せて」全員が納得出来たと確認してからゲームを始めます。ルールのわからないゲームほどつまらなく退屈なものはありません。そしてそのゲームが出来なかった時の屈辱感は「たかがゲーム」だからこそ大きいものだと思います。一番いいのは障害のある方に一人づつ職員がついて援助することだと思うのですが、そのマンパワーが足りません。隣の人の前の人の真似をすれば円滑に進むゲームは利用者さんを安心させるようです。
「*認知の障害」については、まずレク援助を行う介護職員が「認知症」を理解していないところから「レクリエーション援助」が的を得ていない勘違い援助になってしまっています。全てわからないわけではないんです。わからない、出来ないのは一部です。ご本人は「何故相手がわからないのか」不思議に思っている筈です。
どうして出来ないのかどうすればわかりやすいのか、実はわかっているのに、表現出来ないだけなのに・・・それを介護職員が理解しないでレクリエーション援助を続けると、ご本人を傷付け、落胆させ、認知症を進ませるだけです。
全く、本末転倒になる、と言うことです。
2.ばかばかしい
男性の利用者に多いのですが、あまりに幼稚な手遊びや歌を入れると嫌がって参加してくれません。一度そういうシーンを見たら極端に避けるようになります。それがわかったので、私はレク援助の際に幼稚な童謡や手遊びを一切入れないようになりました。クイズやゲームで入れる時は「子供の頃に歌った歌ですが、こういうクイズにすると難しいでしょう?」などとその童謡を取り入れた説明をします。
私はレク援助の最初に必ず挨拶や季節の話題、ニュースの話題を入れて、「あなた方を大人扱いしていますよ」とアピールするようにしています。尊敬の念を持って「レク援助させて頂く」「あなた方の大事な時間を預けさせて頂く」姿勢を見せるようにしています。
ゲームも「うんちく」や「常識問題」「全国の名産や名所」「新聞記事のニュース」などを題材にするととても喜ばれます。もちろん難易度は認知症棟と一般棟では変えていますが、「一度行った場所」や「昔食べたもの」など幾ら記憶障害が強くても、昔の記憶は生き生きと残っている人が多いですので、認知症の方の「得意分野」をアセスメントして「わかっている自分」「おぼえている自分」を印象付けることで、ご本人が自信を取り戻し、不穏が減ったと言う事例も経験してきました。
また一般棟でよく見られるのですが、「レクの時間はばかばかしい」から一歩抜け出して「認知症の方をカバーする」利用者さんが出てきました。リーダーが出てきた、と言うことです。
こういう時間を共有してきて、自分がレク援助で大事にしたいと思うのは
『相手の興味や話したいを引き出す』
『仲間作り、交流の場』
『体を動かす場』(過剰介護、廃用性や高齢の身体的特徴を踏まえ、楽しく出来る体操、ゲーム)
『笑いを引き出す場』
『知的好奇心を引き出す場』
としてのレクリエーション援助を、ゲームの中に取り入れ展開するよう私自身変わってきました。
介護職員の教育、価値観
介護職員が施設に入職して受ける新人教育というのはいろいろあるのでしょうが、たいていは「ルーティンワークを早く覚える」ですね。
何時何分までに口腔ケアを終わらせないといけない、何時何分までに食事介助を終わらせないと、遅番が休憩に入れない・・・。いかに仕事を早くまわすか、そこに介護技術が問われます。
もちろん早くオムツ交換が出来ても「横もれしちゃった」では仕事を増やすだけですから、「迅速で的確なルーティンワーク」が求められることは当たり前のことなのですが。
私は自分の老健でも非常勤勤務ですし、他の老健や入所施設の介護業務やレクリエーション援助についても「聞いただけ」の話なので、想像の域を超えないのですが、
おそらく「レクリエーション援助教育」を行う入所施設は少ないんじゃないかと思います。
何故か。する人がいないからです。
介護福祉士の国家試験にレクリエーション活動援助技術はあってもそれは「試験前にちょろちょろ」っと過去問題を解いた知識のみでしょう。もちろん自己研鑽で自らレクリエーション援助セミナーを受講する人もいるでしょうが、施設がお金を出して「勉強していらっしゃい」と送り出してくれるケースは本当に恵まれていて少ないんじゃないかと思います。
すると「レクリエーション援助を教えたくても教えられない」中堅ベテラン介護職員が新人に何を伝えられるでしょう。
「このゲームやっていて。」
「夜寝ないからね、昼間起こしておかないと。体操でもして。体を動かして。」
「適当にやればいいのよ。どうせ介護保険の点数にならないんだから。」
「生活の場なんだから、ゲームやるっておかしいんじゃない?」
「レクネタがないよ・・・マンネリ化してつまらない・・・。つまらないと思われるからやりたくない」
一番の問題は「介護職員のレク援助に対する意識」だったんですね・・・・。
幾ら、施設にスペースを作っても、高いゲーム用具を買っても、職員にやる気がなければ、もうそこでレク援助は無用の長物になってしまいます。
何なんでしょうね・・・・。
介護福祉士の養成カリキュラムって。
養成校で学んだものが現場で活かされない、それが普通になってしまっている。
何か大事なものを見落としていませんか。
幾つかの分野に跨った「介護技術を」「医学知識を」「障害者の体と心を」知る知識と言うのは、暗記しておしまい、ですか?
その知識をどうやって現場で生かすのか、それを教育する職員をどうやって現場に根付かせるのか、そこまで考えない介護福祉士法って何なんだろうと思います。
カリキュラムを浸透させる受け皿が整っているのでしょうか、今の日本の施設に。
「知識はあるけどやり方わからない」って
その人達が育成する「新しい介護福祉士像」
期待出来るのでしょうか。
介護福祉士法の改正で、介護福祉士になる為の勉強が厳しくなりますよね。
学校がどんどん潰れるのでしょう。
「厳しい中、現場に残るメリット」をこの介護福祉士法は作ってくれるのでしょうか?
「時間割」「十把一絡げ」「個人を見ない」施設介護・・・・
光を当てるのは「レクリエーション的発想」だと思う。
人、一人を笑顔にする技術・・・・が問われているのだと思う。
それは「テスト」で確認出来るのでしょうか。
何故「レクリエーション援助」を前面に押し出さないのか、誤解されている「レクリエーション援助」を正しく導かないのか。
「この仕事が終わってからね」ではなく「あなたがあなたの心地よさが最優先です」の心。それがレクリエーション的発想なんだと思うんです。
給料が安くて、人一人笑顔に出来ないなんて・・・
やる気なくなっちゃよね。
人が定着しなくて当然。
本当にやる気のある介護職員は見切りをつけると思います。
マンパワー不足、、、これはもうどうにもならない。
法律が、制度が変わってくれないと・・・・・。
「マンパワー不足」、これのせいで全てがぶち壊し。
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